現在、高校生で将来は動物に関わる仕事をしたいと考えている人もいるかと思います。
学校の進路相談や自分で調べた場合、ほとんどが、
行きたい学校を選ぶ
↓
学校で資格を取るなどする
↓
卒業してその職につく
という流れになっているかと思います。
ペットシッターは、実は高校に通っている時からなろうと思えばなれる職業です。
早くペットシッターになりたい人のために、今回はどうすればなれるのか紹介したいと思います。
ペットシッターになる方法と必要な資格
ペットシッターになるには、
・お店に雇ってもらう(アルバイト等)
・自分で開業する
方法があります。
ペットシッターになるのに必要な資格は働き方によって異なります。
お店に雇ってもらって(アルバイト等)でペットシッターになる場合
お店に雇って貰う場合は資格はいりません。面接などの採用試験に受かればペットシッターになれます。
また、動物取扱業者に雇ってもらうことで自分で開業する場合に必要な動物取扱責任者の資格条件の実務経験または飼養経験を積むことができます。
雇ってもらうときは雇用形態に気をつけよう
学生がペットシッターとして働く場合、雇用形態はアルバイトか派遣か業務委託になるかと思います。
アルバイトの場合は、お店があなたを直接雇用してくれます。
派遣社員は、あなたが働くお店があなたを雇っているわけではなく、派遣会社に雇用されていることになります。
業務委託の場合は、お店があなたを雇っているわけではなく、お店から依頼された業務を行う契約です。報酬は働く時間ではなく、業務そのものに支払われます。労働基準法上では「事業主」になります。個人事業主向けの働き方です。業務委託の場合、第一種動物取扱業の許可をもらっている人のみしか募集していないこともあります。
アルバイト | 派遣 | 業務委託 | |
雇用先 | お店の直接雇用 | 派遣元の企業 | 雇用関係なし |
労働基準法での立場 | 労働者 | 労働者 | 事業主 |
労働基準法の適用 | 〇 | ○ | × |
労災保険 | 〇 | 〇 | × |
仕事の報酬 | 時間に対して | 時間に対して | 業務そのものに対して |
業務委託は、仕事中にケガをしても労災保険は使えないので気をつけましょう。
自分で開業する場合
第一種動物取扱業の取得
自分でペットシッターを開業するには、第一種動物取扱業(保管・飼養施設なし)を取り、動物取扱責任者になる必要があります。
動物取扱責任者になるには、
①獣医師・愛玩動物看護師の資格のみでなる。
②学校+実務経験半年または飼養経験1年
③資格+実務経験半年または飼養経験1年
①と②は高校生では無理なので、③を選ぶことになると思います。
③の実務経験は動物取扱業を取得しているお店(会社)で常勤で半年以上働いて、そのお店の代表の方に実務経験証明書を書いてもらいます。
※アルバイトやパートでもお店と行政に常勤と認められたら常勤です。例)土日祝のみ営業しているお店で土日祝フルで働いていている場合など
飼養経験は、
・保管のボランティア経験
・パート・アルバイトなどの常勤以外の働き方
・ペットとしての飼養経験は不可だが、定められた所定の記録を1年以上行う(地域によっては不可な場合もあるので、始める前にお住まいの地域の保健所に要相談)必要があります。
飼養経験で動物取扱業を取る場合は、どんな経験なら認めてもらえるのか前もって保健所または動物愛護センターに相談しましょう。
飼養経験でやってはいけないこと
動物取扱業許可を取る前に動物のお世話をして何らかの対価をもらってはいけません。対価は金品に限らないので気をつけましょう。

いろんなお友達の動物を預かって飼養経験にしよう!

対価をもらったり、何度も繰り返すことは営利性があるとみなされてしまいます。
対価はお金だけでなく、品物も含まれます。
無登録営業は、動物愛護法第46条1項に基づき100万円以下の罰金になる可能性があります。

何ももらわないボランティアならOKってこと?

完全無償のボランティアなら大丈夫だけど、それだけで飼養経験にするのは難しいと思います。
未成年者登記簿・開業届の提出
18歳未満の方が開業するには、親などの親権者の同意が必要になります。
①法務局で未成年者登記簿の取得
↓
②税務署に開業届と取得した未成年者登記簿を提出(個人事業主として開業する場合)
という流れになります。
詳しく知りたい方はこちらのページに詳しく書かれています。
高校生でも取れる!動物取扱責任者に必要な民間資格
高校生が取得可能な動物取扱責任者になるために必要な資格を紹介します。
資格には国家資格と民間資格(公的資格を含む)があります。
動物取扱責任者になれる国家資格は、獣医師は大学に、愛玩動物看護師は養成校に行かないと取得できません。
そのため、高校生で動物取扱責任者になるには、民間資格を取得するしかありません。
その他にも動物取扱責任者になるために必要な資格はありますが、年齢制限や日程上受講不可能なものは省略してあります。
資格名称 | 団体名 | 販売 | 保管 | 貸出 | 訓練 | 展示 |
ペットシッター士 | 日本ペットシッター協会 | 〇 | 〇 | |||
愛玩動物飼養管理士 | 公益社団法人日本愛玩動物協会 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
認定ペットシッター | ビジネス教育連盟ペットシッタースクール | 〇 | 〇 | |||
愛犬飼育管理士 | 一般社団法人ジャパンケネルクラブ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
家庭動物管理士 | 一般社団法人全国ペット協会 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
愛護動物取扱管理士 | 一般社団法人新潟県動物愛護協会 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
小動物飼養販売管理士 | 協同組合ペット・サービスグループ(PSG) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ペットシッター士
ペットシッターに特化した資格です。ペットシッターの開業の仕方や営業方法なども学べます。
・受講や試験に年齢制限なし
・カルチャーセンター受講、通学、通信教育、オンラインライブコースが選べます。
勉強方法 | 料金 | 曜日・受講期間 | 場所 |
カルチャーセンター受講 | 73,700円 | 土日昼間2日間 | 全国12か所 |
オンラインライブコース | 88,000円 | 主に平日昼間2日間 | 自宅 試験は全国9か所の会場へ |
通信教育 | 71,500円 | いつでも(2~6か月) | 自宅 試験は全国9か所の会場へ |
通学コース | 126,500円 | 平日昼間6日間 | 東京のみ |
・資格取得後、希望者はペットシッターの開業支援やペットシッター保険に入ることができます。(別途年会費と保険料がかかります。)
・種別は保管・訓練のみです。
詳細は、日本ペットシッター協会のページを参照ください。
カルチャーセンター受講の場合は、こちらジュージヤカルチャーセンターhttps://culture.jeugia.co.jp/からの申し込みも可能です。

最短2日で取れる&ペットシッターについて学びたい人にはおススメの資格です。
資格取得後の開業支援も充実しています。
認定ペットシッター
こちらもペットシッターに特化した資格です。
・16歳以上~受講可能
・①通学コース②オンライン通学コース③オンライン通信コース④通信コースがあります。
・①~③は平日昼間開催なので高校生は④通信コースがおすすめです。
・通信コースの値段は72,000円(入学金、教材費、修了時の資格検定試験の受験料等含む)
・ペットシッターフランチャイズのペットシッターSOSの加盟要件の資格です。
・種別は保管・訓練のみです。
詳細は、ペットシッタースクールのページを参照ください。
愛玩動物飼養管理士(1級・2級)
犬猫だけでなくいろいろな動物について学びたい方や動物に関する法律について学びたい方にオススメの資格です。
・満15歳~受講OK
・すべての種別に対応
・動物取扱責任者の資格要件は2級でもOK
・通信で約6か月受講後試験
途中で1回課題提出とスクーリングがあります。
試験は課題からよく出るので、しっかりやっておきましょう。
・2級は受講受験料32000円+認定登録料8000円
・年会費はかかりません。
詳細は、日本愛玩動物協会のページを参照ください。

動物取扱責任者になるのは2級でもOKです。
もっと学びたい方は1級も受験してみてもいいかもしれません。
愛犬飼養管理士
・1日で取得可能
・講習の日時指定あり(平日開催が多い)
・講習場所は全国7か所のみ
・すべての種別に対応
・資格受験受講料14300円(受講料7300円+受験料7000円)

1日で取れるけど、資格の維持にお金がかかるのね・・
詳細は、ジャパンケンネルクラブJ(KC)のページを参照ください。
家庭動物販売士
・年齢制限なし
・訓練以外の種別に対応
・高校生は受講費・教材費20,000円→5,000円で受講できます。
・25,000円(受験料10,000円、教材費5,000円、登録料10,000円)
詳細は、一般社団法人全国ペット協会のページを参照ください。
愛護動物取扱管理士
・年齢制限なし
・すべての種別に対応
・1日で取得可能
・平日開催
・受講受験は新潟県
・38,000 円(受講料、受験料、登録料込み)
詳細は、新潟県動物愛護協会のページを参照ください。

1日で資格が取れる&すべての種別に対応している資格です。
新潟県周辺にお住いの方におススメです。
小動物飼養販売管理士
・年齢制限なし
・すべての種別に対応
・通信教育(2~5か月)
・試験は各地主要都市で開催(試験日により開催されない都市があるため受講前に確認すること)
・受講料金35,000円(受講料・受験料・認定料含む)
詳細は、協同組合ペット・サービスグループ(PSG)のページを参照ください。

資格取得で注意したいこと
名称にペットシッターが含まれる資格について
ペットシッターは資格を持っていなくてもペットシッターと名乗ることができます。ペットシッターの資格を取ったからといって、ペットシッターの職に就けるというわけではないので、気をつけましょう。

資格は勉強をしたことを証明してくれる程度のものだと思っておきましょう。
ペットシッターとして働けるかどうかはあなたの努力次第です。
動物・ペット系資格について
動物・ペット系の資格は調べてみるとたくさんあると思いますが、仕事で役立つのはほんの一部です。たくさん取ったほうが採用に有利というわけでも、仕事ができるようになるわけでもありません。
また、中には通信教育や資格取得系の学校のホームページでおススメの資格と紹介されていても動物取扱責任者になれない資格もありますので、お住まいの自治体のホームページや保健所・動物愛護センターに問い合わせたりして確認しましょう。

気になる資格については自分でしっかり確認しましょう。
まとめ
今回は、ペットシッターになる方法を紹介しました。
ペットシッターになるには、2種類の方法がある。
・どこかに雇ってもらう→無資格でもOK。でも、資格がないと採用されにくいかも。
・開業する
→第一種動物取扱業を取る必要がある。
→第一種動物取扱業には、動物取扱責任者をおかないといけない
→動物取扱責任者になるためには資格や実務経験や飼養経験が必要
ペットシッターは、無資格でもなれますが、ペットのことだけでなく、いろいろな経験がものをいう仕事です。
普段から自分の家のペットのお世話をしているよという方も、その他の家事を手伝ったり挑戦してみることで、動物のお世話以外にもできることが増えていき、仕事の幅が広がったり、細かなことに気を配れるようになるかもしれません。また、まだどこでも働いたことない人は、どんなアルバイトでもいいので挑戦してみるといいと思います。
勉強以外にもいろいろな経験を積んでおくと、いつか何かしらの形で役立つ日がくるかもしれませんよ。